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「シャルロット、ルイーゼ、――あらあら、アレットまで! どこで寝てるのかしら、あなたたち。こまった子ね、まったく」 アレットはぱちぱちとまばたきをして、はふ、と小さくあくびをした。 「……おはようございます、ママン」 そう言ったのはいいものの、どうしてママンがここにいるのかしら、それに、そもそもここはクローゼットの中なのかしら、外なのかしら、とアレットが首をかしげると、ママンは目の前でこわい顔をしてみせた。 「さあ質問よ、お姉ちゃん! あなたは一体どこにいると思う?」 まだ寝ぼけた頭で、アレットはぐるりと自分の周りをながめてみた。 色とりどりの服が床で山になっている。アレットはその上に寝転んでいて、寝ている内に寒くなったのか、身体の上にもこの間買った白いコートだとか気に入ってよく着ているピンク色のセーターだとかが乗っかっていた。同じ山の中にはシャルロットとルイーゼも、やっぱり服に埋もれて眠っていた。 わたし、どうしちゃったのかしら。アレットはまた首をかしげた。シャルロットとルイーゼに引っ張られて太陽に飛び込んだ時に、勢いがつきすぎてクローゼットの中に突っ込んでしまったのかもしれない。そうだとしたら、このめちゃめちゃな服の山も納得できるわ、とアレットは思った。 どっちみち、クローゼットを荒らしてしまったことに変わりはない。アレットはしゅんと首をすくめて、ごめんなさい、とママンにあやまった。うれしいことに、ママンはため息をついて、今度からはクローゼットで遊んじゃダメよ、としか言わなかった(もちろん片付けはアレットたちがやることに決まったけれど、そのくらいはしょうがない)。 ママンが部屋からいなくなると、アレットはため息をついた。クローゼットから落ちちゃったことがばれなくて、良かったわ。 それからアレットは妹たちを起こさないように起き上がって、服の山からカバンに入った大きな本を引っ張り出した。窓を開けて深呼吸をすると、冷たい空気が身体の中に突き刺さるようだった。今日もいい天気みたいだわ。アレットは少しだけ笑いながら、本の表紙を開けた。すると本のページたちは、ウサギ耳の本と同じように真っ白な鳥や蝶になって、太陽の方へ飛んでいった。ひらひらと出遅れた何羽、あるいは何匹かがその辺りを飛んでいるのをながめながら、アレットはポケットをさぐってみたけれど、やっぱり写真は見つからなかった(そう、いくらさがしたって見つかるわけはない。だってウサギ耳があれを持って行ってしまったのだから!)。 「名前くらい、教えてくれたってよかったわ。そう思わない?」 ぼんやりつぶやいた時、ママンが下からご飯ができたわよとアレットを呼んだ。アレットははぁーいと大きな返事をして窓を閉めると、妹たちを起こしに、クローゼットの中に入って行った。 |
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